泥水タンクのクリーニングの間にかくはん器が動き出し、作業者1名が負傷した

何が起こったのですか？

高圧洗浄機を使って泥水タンクを清掃する目的で、作業者が船上にやってきました。
タンクは、その日の早い時間帯にかくはん器を作動させて空の状態にしていました。
ブリッジの統合化自動システム（IAS）上でかくはん器を停止させていましたが、絶縁も閉塞（ロックアウト）もしていませんでした。
作業者がタンクの中にいるときに、突然かくはん器が毎分42回転（rpm）の速度で始動しました。
1枚のパドルが作業者の腰部に当り、作業者はタンクのフロアに転倒しました。
彼はタンクの外まで上がって来れましたが、打撲傷を負い、肋骨1本を骨折しました。
なぜ、そのようなことが起きたのでしょうか？
かくはん器がひとりでに始動しました（考えられる技術的な問題については、現在調査中）。
しかし、このインシデントの主な原因は、かくはん器を絶縁していないことでした。
- 作業者がかくはん器を絶縁することを忘れていたため、絶縁証明書が発行されることはありませんでした。
- 絶縁のための適切なルーチンが定められていませんでした。
リスク評価には絶縁の確認が含まれていましたが、徹底的な確認は行われていませんでした。
コンプライアンス違反とコミュニケーションの欠如 - サードパーティの企業には、絶縁を確認する手順が定められていましたが、これは船舶の責任であると見なされていたため行われていませんでした。
自律した責任感の欠如 - タンクの洗浄作業にエンジン部門は関わっておらず、ブリッジ手動で行われていたのみでした。
彼らは何を学びましたか？

かくはん器について作業を行うすべての人員は、タンクに入る前に装置が絶縁されていることを確認するべきです。
すべての作業者が装置をロックアウト（閉塞）/タグアウトして、絶縁証明書を発行できるように絶縁のルーチンを改善してください。
特にタンクのメンテナンス作業に関するブリッジとエンジン部門との間の情報伝達を改善してください。
既存の手順の順守状況を改善してください。
該当するリスク評価の内容を見直してください。
自問自答するか、クルーに質問してください

装置を絶縁するべきであった経験が過去にありませんか？そのとき、何が起きたのですか？
お使いの装置のエネルギーの遮断状態を、どのように確認しますか？
作業開始前に、どのようなリスク評価を行いますか？リスクを最小限に抑えるために、他に何を行うことができますか？
さまざまな部門の作業者間の情報伝達を改善するには、どうしたらよいですか？請負業者はどうですか？