吊り上げ作業の間に、危険な場所の外に配置された作業者が命に関わる大けがを負った

何が起こったのですか？

ウェルのテスト後に、複数の作業者たちがサージタンクを吊り上げてトレーラーに積み込む準備をしていました。
ある作業者がタンクに上って、スリングをクレーンフックに繋げました。タグラインがサージタンクにつなげられ、手を使わずにタンクを吊り上げる準備が整いました。
監視者が、吊り上げを開始するようクレーンに合図を送りました。
クレーンオペレーターは、タンクの反対側に立っている別の作業者を目視で確認することはできない状況でした。
タンクを積み込むため、クレーンがトレーラーとの位置を調整しているときに、サージタンクと高架通路の間に挟まれました。
作業者は頭部と胸部に命に関わる大けがを負いました。
なぜ、そのようなことが起きたのでしょうか？

吊り上げ作業のために領域がきれいに片付けられておらず、クレーンフックと荷重の中心の位置が揃っていませんでしたが、荷重物がクレーンにつなげられ、事前に張力がかけられました。
作業者たちは、適切な高視認性安全ベストを装着していませんでした。
すべての作業者が、吊り上げ作業に関する業務開始前の安全ミーティングに参加していたわけではありませんでした
吊り上げ作業は日常的な作業と見なされていました。吊り上げ計画も一般的な計画も立てずに吊り上げ作業が行われたことが判明しました。
クレーンオペレーターは自身の作業を中止させたり、疑問を呈したりすることなく、指示に従って粛々と作業に専念するものとされていました。
作業の間に、適切な能力も基準も適用されることはありませんでした。
彼らは何を学びましたか？

吊り上げ監督者、監視者、綱具員、スリング担当者という吊り上げ作業の間における役割が明確に定められていることを確認してください。
特に同時並行して行われる作業（SIMOPS）の一部としての吊り上げ作業の間における監視レベルを強化してください。さらに、吊り上げと積み込みを監督するために完全な形でトレーニングを受け、適切な能力を有している人員を配置してください。
吊り上げ作業に関与するすべての作業者が、これを行うためのトレーニングを受け、能力を有していることを確認してください。
作業を開始する前に、作業の内容がすべて明確化されていること、および状況が安全でなくなったときや作業の変更が生じたときはすべての人員が作業を停止する権利を有していることを知っていることを確認してください。
輸送時も元の位置に取り付けられた状態に維持されるように、垂直吊り上げスリング用のサージタンクフレーム（surge tank frame）が設計されているか評価してください。
自問自答するか、クルーに質問してください

吊り上げ作業の間における主な役割とは何ですか？本日の吊り上げ作業の担当者は、どれほど良好に定めていますか？
吊り上げ計画を用意していますか？それは、本日の作業に特化したものですか？そうでない場合、どうするべきですか？
私たちが行う吊り上げ作業による影響を受ける可能性がある作業として、他にどのような作業が付近で行われていますか？
今日の吊り上げ作業で、立入禁止区域はどこにありますか？
今日の業務内容を思い浮かべる。あなたが作業を中止する権限を行使する状況をいくつか挙げて説明してください。
インシデントが発生することなく吊り上げ作業が実施されるように、どのようなリスク管理やリスク防止の措置が現場に用意されていますか？